TBS火曜ドラマ22時枠の「わたし、定時で帰ります。」が面白い。
第2話の視聴率は10.4%、1話よりも上昇しました。おそらく最終回に向けてさらに伸長すると思います。
会社が舞台のTBSドラマと言えば、半沢直樹のような“下克上”がテーマの作品や、下町ロケットのように中小企業が大手企業に立ち向かう姿への共感と爽快感が、見ていて面白いし惹きつけられる。
「わたし、定時で帰ります」は、定時で帰るがモットーの吉高由里子が演じる主人公を中心に、会社の人間模様がリアルに描かれていて広告代理店出身の僕は見ていて面白い。
広告代理店を舞台にしたドラマといえば、2016年にフジテレビで松嶋菜々子が主演の「営業部長 吉良奈津子」というドラマがありました。
しかし、「わたし、定時で帰ります。」の方が圧倒的に現実的で親近感が湧くので面白いです。
ドラマで描かれているのはWEB制作会社ですが、めちゃくちゃ良い会社ですね…。
吉高由里子は新人に超優しい(しかも可愛い)、副部長の向井理は仕事ができてミスをした新人にも周囲に優しく気遣いができる(しかも超カッコいい)。
部長のユースケサンタマリアは、人格に問題があるが過度に現場には干渉せず、新人には寿司を奢ってくれる…。
(上司が吉高由里子だったら良いよなぁ、でもかえって仕事捗らないなぁ。)
第3話では、スポーツメーカーのコンペに関するオリエンをクライアントから受けるシーンがありました。(カタカナ多い…)
担当ディレクターの主人公吉高由里子が、ヒアリングのためクライアントにWEBの完成イメージを尋ねると、クライアントの担当はこう言い放ちます。
「そういうのは、あんたらで考えて。プロなんだから。」
本当にいるんですよ、こういうクライアント…。
そしてドラマでも表現されていた通り、こちらの提案ベースでデザイン案を作ると、全然イメージと違うとか言ってガラ変(ガラッと変更)になるんですよ。
(デザインプロダクションでは、ガラ変は良く使うワードです。)
デザイナーやクリエイティブスタッフにとっても嫌な案件です。
そんな時、僕がいた広告会社では3案用意します。
1案は「捨て案」と呼ばれる、5割以下の労力で作る文字通り捨て駒の案です。
3案作るのは選択肢を与えて選ばせることが目的なので、全て全力投球の提案をする必要は無いです。
必ず捨て案を用意します。
ごく稀に捨て案が選ばれることもありましたが…
ドラマの中では向井理が演じる役は、定時で帰るがモットーの吉高由里子とは真逆のワーカホリック。
僕は、まさしくこの向井理のような働き方を、広告代理店で今までしてきました。(顔とスタイルは1ミリも親近感ありません。)
平日は22時過ぎまで働いて、土日はイベントが多く休日出勤。
代休も取らず1ヶ月間休みが全く無かったこともあります。
僕は、労働時間の長さそのものがそこまで苦痛では無かったですが、今振り返ると異様な働き方をしていました。
ちなみに、吉高由里子の婚約相手のKAT-TUN中丸さんの演技、大根すぎる!
と思ってたらドラマの中で丁度おでんの大根食べてました。
ここまで棒読みなのは寧ろ関心します。
吉高由里子や向井理を始め、脇を固める役者の演技の上手さが理解できます。
平成の最後に放送開始されたドラマが「定時で帰る」テーマなのは、平成31年間の時代の変化に応じて、働き方や価値観も大きく変わったことを感じさせられます。