僕は今年で28歳になる会社員です。
恥ずかしながら、ぼくは20代で3回の転職を経て今がある。
僕にとっての働き方の転機は、これまで仕事を通じて出会った人に起因する。
先日、『会社を無断で辞めた僕の同期』という記事を書いた。
僕にとって、“最初で最後の同期”の彼は、僕の働き方を考えるきっかけを与えてくれた1人だ。
広告代理店に勤めていたとき、とあるクライアントの引き継ぎを僕が担当することになった。
印刷会社の方にメールをするとき、前任から担当者の名刺を受け取った。
見覚えのある名前だった。
珍しい苗字だから、すぐにピンときた。
僕は小学生のときサッカー少年団に入っていた。
当時プレーしている子供と同じくらいかそれ以上に、いつも熱く応援してくれていた父兄がいた。
子供ながらに、せっかくの休日なのにこの人はこんなに熱く子供のサッカーに熱中して大丈夫かなぁ、と思わせる程だった。
僕の両親は、土日も働いていることが多くて、いつも車に乗せて送り迎えしてくれたのも彼だった。
まさかあれから10年越しに、一緒に仕事をすることになるとは、その時は想像できるわけがない。
僕が仕事を通じて再開したちょうどその年は、彼が定年退職を迎える年だった。
引き継いだクライアントの業務は多忙を極め、終電で帰る日も珍しくなかった。
会食も多く、その頃の僕は心身ともに疲弊していた。
彼の退職日、僕は忙しさにかまけて、彼にメールや電話の1本も送れずにいた。
今でも鮮明に覚えている。
金曜日の夜。
気づいたら終電も過ぎていた。
あの時はオフィスにはもう僕1人で、消灯して警備室に鍵を返却したときだったなぁ。
スマホでも会社のメールを見れるようにしていた。
彼から1通のメールが届いていた。
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
今日が最終出社日になりました。
ご挨拶にも伺えず失礼申し上げます。
後日、後任の〇〇が挨拶に伺わせて頂きますので、その際は宜しくお願い致します。
p.s
短い間だったけど、一緒に仕事ができてとても嬉しかったです。
いつも丁寧な仕事ぶりで、大変助かりました。
あの頃、息子と一緒にボールを追い掛けていた〇〇君と、まさか一緒に仕事をできる日が来るとは思ってなかった。
やっと定年かと清々していたはずが、定年退職する年になって、会社に行くのが少し楽しくなったのは君のせいです。
もう少し長く仕事を続けたいと思ってしまいました。
僕は〇〇君がこれからどんな仕事をしていても、10年前と同じように、これからもずっと応援しています。
益々の活躍を祈っています。
息子共々、これからも宜しくね。
このメールは今でも、働く僕の背中を押してくれる。
彼の働く姿勢や年齢問わず人と真摯に向き合う姿は、僕に大きな影響を与えた。
平日は多くの仕事をこなしながら、休日は僕らのサッカーの試合を見に来て子供よりも熱くなってた彼の姿が、疲れた時にふと頭に浮かぶ。
同級生との父親との再会は、僕にとって働き方を深く考えさせてくれる転機でした。