喫茶店の魅力
いま僕は、スターバックスでパソコンを開いて、スターバックスラテを飲みながらこの記事を書いている。
僕がスターバックスのみならず、カフェを愛用するようになったのはつい最近のこと。
少し前まで、スターバックスでパソコンを開いている人たちのその行為は、何だかいけ好かない意識高い系の若者や気取ったビジネスマンのファッションみたいに見えて、まるで理解のできない行動だった。
あろうことか、僕はいまスターバックスでスーツを着て、まさかパソコンを開いている。
なんて居心地が良いのだ!
正直、今まで喫茶店を駆使して生活して来なかったことを少し後悔するほどだ。
女子の休日の過ごし方が“喫茶店巡り”だと、「ふぁっ、何を言っているんだこのインスタ馬鹿め」「カフェで優雅なひとときを過ごすわたし、イケてるでしょSNSアピール」だろこの気取ったボケ共がっ!!
と心の隅で思っていたのだが、僕は毎週喫茶店を巡り巡っている。
いやぁ、落ち着く。
なぜこんなに急に喫茶店を愛用するようになったのか。
きっかけは、仕事環境が変化したことだ。
今年転職をして会社が変わってから、外出や出張が増えて出先でパソコンを使う機会が増えた。
そこで、知ってしまったのだ。
喫茶店の居心地の良さを。
会社にいるより、何十倍も作業が捗る。
誰にも干渉されない。
なんと充電までできるではないか。
これはもう、オアシスだ。
とにかく、仕事をしたりゆったり寛ぐにもとても居心地の良い環境だ。
新作のメニューも豊富らしい。
今はハロウィン限定で魔女のフラペチーノとかいう全く味の想像がつかない季節の新作もあるみたい。
クリスマスシーズンは「クリスマスストロベリーケーキミルク」が限定で発売。かなり美味しいに違いないが。これはカロリーがヤバそうだ。
スターバックスは「第3の場所」
スターバックスはもともとシアトルを中心にコーヒー豆の販売を手がける小さな会社。
当時、コーヒー豆の品質には誰も着目しなかった時代に、アメリカで良質な豆を仕入れて深煎し、美味しい豆の挽き方や入れ方を豆を売りながら教えていた。
コーヒー豆に特化した、地域に密着するこだわりのお店だったのです。
そんなスターバックスに魅せられて入社した、後にスターバックスのCEOとなるハワード・シュルツは、スターバックスを家庭でも職場でもない「第3の場所」にしようというビジョンを抱きました。職場や家庭のプレッシャーから解放され、スタバでは憩いのひと時を過ごすことができる。そのために必要なのは、良質なコーヒー豆だけではない。
まずはくつろげるソファや落ち着いた雰囲気の照明など、長居したいと思える空間づくりを優先。
外食業界では客の回転率を上げるために、わざわざ固い椅子を選んだりテーブルの感覚をわ詰め込んだりするのが当然でしたが、スターバックスはその逆をいったのです。
良質なコーヒーと居心地の良い空間。もう一つ重要なのはそこで働く人。スタバには従業員もアルバイトもいない、全員がパートナーと呼ばれています。
彼らが働きやすく明るい接客ができるようなオペレーションが上手く設計されています。
「第3の場所」というビジョンを掲げたスタバは、万人が手の届く贅沢としてアメリカに受け入れられます。
高級車が買えなくても、豪華な別荘に行けなくても、スタバでは富裕層と同じものを体験できる。
また当時在宅ワークの普及とともにスタバはさらに広く進出し、街のインフラとして機能するようになったのです。
お腹を満たす場所から、心を満たす場所へ。
スタバはそれまでの喫茶店には無かった新しい文脈、体験づくりに成功しました。
僕は自分の身を持ってこの第3の場所の意味を体感した。
言語化されたビジョンを先に頭では理論としてインプットしていたが、それが自分の身にもストンと落ちる感覚。
まさしく僕にとって喫茶店は、今となっては僕に欠かせない生活の一部。
家と会社以外のサードプレイスとして機能している。
特にスタバは、機能のうえに独自のアイデンティティを感じる。
それがあの独自のオペレーションとか、スタバならではの空気を醸成しているのでしょう。